Firestone Walker Luponic Distortion #1


Firestone Walker Luponic Distortion #1

Ratebeer: 96
Beeradvocate: 91

Firestone Walker Luponic Distortion

ファイアストーンウォーカー ルポニックディストーション

STYLE: American IPA / ABV: 5.9% / IBU: 59

アメリカンクラフトビールの進化に大きく貢献するホップ革命。Cascade ホップにより人々が“ホップの素晴らしさ”に気付いて以来、数え切れない程の多種多様な品種が誕生してきた。そのホップ革命の最前線に立つビールが Luponic Distortion(注 1)だ。2016 年初旬に初めてリリースされたこの商品 は、リリースごとに使用する新種ホップの種類を変えるという新しい試みを実施している。ホップ革命 の衝撃や驚きを世に伝える作品なのである。

Firestone Walker ブリューマスターの Matt Brynildson(マット・ブライニルドソン)。彼は大学卒 業後すぐにホップを研究する仕事に携わった経歴を持つ。現在も Hop Growers of America(注 2)の外 部顧問としてホップ業界に深く関わっている。彼によれば、クラフトビールムーブメントが興る前は大 手ビールメーカーのみがホップ農家の取引先で、限界を押し広げるようなクリエイティブなホップは生 まれてこなかった。そこにクラフトブリュワリーがやってきて全てを変えたのである。クラフトブリュ ワーは実際に農園に赴き“この前のホップはこうだった、次からはこんなことやあんなことを試してみ たらどうだ”と農家に提案・フィードバックをする。ホップ農家はそれに応じて試行錯誤する。そうし て長い時間をかけて、常識を覆す素晴らしいホップが誕生するようになった。ホップ革命は一晩にして 成らず、クラフトビールの成長と共にゆっくりと起こっていったのである。

ホップが前面に出た味わいの Luponic Distortion を、Matt は“ステンレスタンクで熟成したソーヴ ィニョンブラン・ワインのようだ”と例える。“モルトのボディーは抑え目でクリーンな口当たり、そ して非常にフルーティなキャラクターは白ワインに近い所がある。”クリエイティブな新種ホップが使 われるこの IPA は、ビールの限界をも押し広げる最先端の味わいと言えるだろう。

DBA、Union Jack、Pivo など、Firestone Walker のビールは基本的にいつも同じ味わいでなければ ならない。同じ原料、同じレシピで常に同じ品質を保ち続けることで、Firestone Walker のブランド に人々が信頼を寄せるのである。だが Luponic Distortion はそのやり方に一石を投じる。同じレシピ に捉われることなく、ホップ革命の波に乗って常に味わいが変容していくのである。素晴らしいライブ バンドが持ち歌の曲調を変えて演奏したり、即興演奏のジャムセッションを行ったりするように、 Firestone Walker も Luponic Distortion を醸造する。それは彼らが辿り着いた 1 つの極致であり、こ れから続いていく長い旅の始まりなのである。

今回届くのは Release No.001、すなわち初リリースのバージョン。ホップの詳細は明かされていない が、新種ホップを 6 種類ドライホッピングに使用することで、マンゴー、ピーチ、パイナップル、パパ イヤ、緑茶など魅惑のホップアロマがグラスから飛び出す。

注 1)Luponic Distortion とは、直訳すると“ルプリンのディストーション”となる。ルプリンはホップの中に 見られる黄色い粒子のことで、ビールに苦みや香りを与える物質を含有している。ディストーションは音響機器 の 1 種で、エレキギターなどの音色を意図的に歪ませるエフェクターのこと
注 2)アメリカ国内のホップ業界の促進、ホップ農家の支援などを行う団体

 

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