IPAって何?! クラフトビールスタイル徹底解説!【2021年更新】


IPAって何?! クラフトビールスタイル徹底解説!【2021年更新】

最近、あっちこっちで、「IPA」に書いてあるビールがよく目にするようになってきました。数年前から、Kirinさんがクラフトビールシリーズの「Galaxy Hop Session IPA」も出してるし、ローソンで「インドの青鬼」というビールもよく見ます。

kiringalaxy
Galaxy Hop 2016 Session IPA (キリン)
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インドの青鬼(ヤッホーブルーイング)

でも「IPA」って一体どういうことでしょうか?

ここで徹底解説しますのでぜひ最後まで読んでください!

まず、基本から:

hops1. 発音

「IPA」は「イパ」じゃなくて、「アイ・ピー・エー」です。

2. 意味

「IPA」は「India Pale Ale(インディア・ペール・エール)」の略。

3. 特徴

とにかくホップ。IPAを作るのに、たくさんのホップを使い、それでホップの味、苦味、香りがビールに染み込みます。ホップの種類によって、苦味度合と香りが変わってきます。Citraというホップは柑橘系の香りが特徴だが、Simcoeというホップは松の木のような香りがあります。ホップをどの量と醸造のどのタイミングでビールに入れるかで苦味と香りが大きく変わります。違う種類のホップをブレンドすることで、ホップ味と苦味がいいバランスになっているビールを作ることができます。

4. 歴史

hop-bottle

名前が「インド」なのに、実はIPAがイギリス発祥のビールスタイルです。

「ペール(色が浅い)・エール(上面発酵のビール)」は18世紀ぐらいからあるスタイル。主にイギリスで作られ、イギリス国内でよく飲まれたけど、海外にも輸出していました。

昔は、インドがイギリスの植民地でした。よく聞く説では、普通のペールエールを船でイギリスからインドまで送ったら、届いた時点はビールがも腐っていて飲めなかったです。ある会社が普通のビールよりちょっとアルコールを多めにして、ホップも多めにしたら、ビールがインドまでの長い旅を耐えるようになったという。アルコールもホップも抗菌性のものなので、あり得る話。

実は、「October beer」という、ホップがたくさん入ってて、度数が高いビールがもともとあって、販売する前は約18ヶ月熟成させないといけないビールでした。インドまで十分にもてて、それがイギリスでも人気になって、「インド」スタイルと呼ばれるようになって、他の会社がその商品を真似しただけ。

しばらくイギリスで結構人気だったらしいけど、1900年ぐらいからIPAがイギリスからほぼ消えてしまいました。

1980年ぐらい、アメリカではクラフトビールがスタートしたころ、アメリカのクラフトブルワリーが、その当時アメリカで飲めなかった昔のビールスタイルをいろいろ試していました。アメリカで栽培していた、ヨーロッパ産のホップより香りと味が強いホップを強調するため、ホップがたくさん入ってるIPAがベストだった。この香りと苦味が強いIPAがちょっと邪道的なビールだったらしいけど、飲んだら癖になって、現在はクラフトビール界で一番人気のスタイル。



5. カテゴリー

IPAの中でも、いろんなスタイルがあります。

IPA(スタンダード)

普通のIPAはだいたい度数が5.5%~7.5%で、ホップが良く効いてて、色が黄色からゴールドオレンジぐらい。ちゃんと冷蔵保存されたものは、新鮮で豊かなホップ香り。モルツは軽めからフルボディまである。スタンダードIPAの中に、さらに細かいカテゴリーがあります:

West Coast IPA: ホップがメインになってて、モルツが薄め。主にカリフォルニアやオレゴンで作られている。

East Coast IPA:West Coastほどホップが強くなく、もうちょっとモルツの甘味や香ばしさがある。New England IPAやヘイジーIPAとまた違う。

British IPA:ホップの苦味は若干あるけど、アロマが控えめで、モルツの味がもっとしっかりしている。

standard-ipa

NEIPA/Hazy IPA

約5年前からアメリカで本気で流行り始めたスタイルで、日本で飲めるようになったのは、約3年前です。大量のホップを使っているのは他のIPAと同じだけど、「dry hopping」というホップの使い方によって、ホップの苦味がビールにほとんど残らなくて、とてもフレッシュなホップの味と香りだけ残ります。ホップを大量に使うことと、イーストの品種やビールの副原料の使用で、ビールが濁ってきます。この濁りをあえていいことになっていて、すごいブームになっています。ちなみに、「NEIPA」が「New England IPA」の略です。このスタイルの発祥地がニューイングランド(アメリカの東北部)であるのでNEIPAと呼ぶようになりました。でも日本では「ヘイジーIPA」が多いです。【NEIPAの徹底解説はこちら!】

Double/Imperial IPA

普通のIPAのすべてがレベルアップ。度数が7.5%~10%、ホップがさらに効いてて、モルツの味も強め。モルツからの甘味が分かりやすくて、色がオレンジから琥珀色。「Triple IPA」などもあり、さらに度数が高い(10%以上)。

double-ipas

Session IPA

「Session(セッション)」はビール業界で、度数が低いビールを示す。Session IPAはIPAのようなホップアロマと苦味だが、度数が3.5%~5%。平均的に、ボディも普通のIPAよりライト。

session-ipas

Black IPA

こちらがスタウトやポーターのような黒ビールとIPAのハイブリッド。ホップがまだかなり効いてるけど、深煎りモルツの香ばしさ、苦味も出ているのでかなり苦い。

black-ipas

White IPA

こちらがベルギーの伝統的な「ウィットビール」とIPAのハイブリッド。ボディがライトで、ベースになっているビールがフルーティのため、飲みやすい方のIPA。



white-ipa

Belgian IPA

ベルギー系のイーストで作ったIPA。ベルギー系のイーストを使うと、独特なフルーツやスパイスの香りが出るので、味がまたかなり変わります。



6. 飲み方

温度

IPAは度数が普通のビールよりちょっと高めなので、キンキンに冷やすより、10~12℃がベスト。ボディがライトなIPAは冷たいままでおいしいけど、香ばしいIPAはちょっとぬるめの方はモルツの味が出ます。

グラス

IPAは香りが命なので、普通のビアグラスがもったいないですね。ワインと同じよう、香りが楽しめるグラスでIPAを飲みましょう。IPAを飲むために、数年前にSpiegelauというドイツのグラスメーカーがアメリカのブルワーと共同開発して、IPA専用のグラスを開発しました。良かったら、ボイジャーのオンラインショップでも購入できます。このグラスが本当にすごくて、これでIPA飲んだことあるなら、他のグラスで飲むと物足りなくなります。香りや味が非常に分かりやすくなり、クラフトビールファンには必須。

注ぎ方

個人的には、泡が少なめがいいんですが、泡が少ないと香りがあまり出ないので、IPAは泡多めで注ぎましょう。いろいろな注ぎ方はあるが、私はまずグラスを約45度の角度で傾けて、ビールをゆっくり注ぎ始めます。半分ぐらい注いだら、グラスを真っすぐにして、泡が立つようにビールを勢いよく注ぎます。あるビールが他のより泡が立ちやすいので、このステップで泡の立ち具合が調整できます。

これで、IPAについての基本情報は以上です!いろいろなIPAを試してみたい方はこちらのセットがオススメ!

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